幼少期。

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家は農家をしていたが母は一切手伝わなかった。 いわゆる専業主婦だった。 いつも家にいたけれど洗濯や掃除、じいちゃんばあちゃんの昼ご飯 家族全員の夕飯にお風呂の用意。 当時、家のお風呂は薪だった、沸かすのも結構大変だ。 後、近所の婦人会かなんかの集まりで外出し留守番をする事が多かった。 遊んでいる訳ではない、子供心にもわかっていた。 わかっている、でも母はほんの少しの時間も私にはくれなかった。 遊んでもらった記憶がない。 寝る前に本を読んでとねだっても「うるさい」と一括される。 おばあちゃんは、ねだるとお話聞かせてくれたから おばあちゃんと寝る事が多くなった。 そして、幼稚園の歌の宿題… 日中は山に行っているからおばあちゃんはいない。 洗い物をしている母の背後にそっと近づく、洗い物しながら聞いてもらえるかなって思ったからだ。 「お母さん」「何?」 「歌の宿題あるから聞いてくれる?」「・・・・・・」 めげずに歌ってみる。 おかーあさん  おかーあさん
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