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物心付くころ3~4歳の記憶が私の中で一番古い記憶だ。
その中で一番強烈に覚えているのは3歳の時旅館に置き去りにされたことだ。
何をして遊んだとか何が楽しかったかは覚えてない。
ただ 夜中ふと目を覚ますと両親がいない。
部屋は真っ暗で、テレビだけが部屋を薄暗く照らしてた。
お父さん お母さん
何度読んでも返事はない。
子供だったから荷物があるかどうかの確認なんてしていない。
ただ 私は捨てられたと思った。
こんな事言われた事ないだろうか?
「あんたは橋の下に捨てられてたのをひろってきたのよ」
私はよく言われていた、勿論、両親は冗談でいっていたのだろうが
子供の私は悲しくて悲しくて堪らなかった。
捨てられていた、と言う言葉より
自分が父と母の子供ではないんだと思うと悲しくて堪らなかった。
薄暗い部屋に一人「あんたは橋の下に捨てられてたのをひろってきたのよ」
その言葉が頭を過った。
私は捨てられたんだ。
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