羽根のない鳥

幼少期。

嫌だ！！！

私は急いで入口に走った。
もう無我夢中でドアを押したり引いたり
ドアノブをガチャガチャしてみたり、必死だった。

そしたらドアが開いた。
明るい光がドアの隙間から漏れてくる。
私は思いっきりドアを開けて飛び出した。

「お父さん　お母さん」叫びながら走った。
まだ近くにいるかも知れないと思ったから。

従業員だったと思う。沢山人がいた。
その中の男の人が私の手を掴んで「どうしたの？」と言った。

「お父さんが　お母さんが…」多分泣きすぎて何言ってるかわからなかったかも知れない。
その男の人は「もう大丈夫」と私を抱っこしてくれた。少しだけ安心したのを覚えてる。

それからスタッフルームのような従業員が沢山いる部屋に連れってってくれた。