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幼いぼくには姉の目の色が読めないが、
「困ったな」とか「ああ面倒臭い」といった感情ではなかったはずだ。
もしかしたら将来のぼくの姿を想像していたのかもしれないが、
事実を聞きだす前にこの世から去ってしまう。
死後は天国にいるのだと信じたいが、
日記の中に詩を発見して、
ぼくは戸惑う。
よく見知っているはずの他人の心が急にわからなくなることはあるものだが、
姉の場合、
ぼくはいつも違う姿を見てきたようだ。
ぼくが癇癪を起こしたときに姉が見ていた中空と同じような意味で……。
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