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「最悪だ……この世の終わりだ……」
男たちは深い深いため息とともにそう呟いた――。
山に囲まれた小国、ギルミア王国は現在、
存続の危機に立たされていた。
「ですから。王、ウィッツ。
ナハル帝国の姫君を
后として迎えていただかなければ」
「あー、もー、またその話?
だ、か、ら。
俺はおまえとしか結婚しないっていってるだろ?」
……はぁーっ。
ウィッツの幼馴染みであり、
宰相のテオミルの口から
本日何度目かのため息が落ちた。
「何度いったらわかるのですか?
この結婚にはこの国の存続がかかっているのだと」
「うるさい、うるさい、うるさーい!!
お、れ、は。おまえが好きなの!
おまえじゃなきゃ、やだ!」
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