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「……これも何度もいうようですが。
私は男、です」
「別に男だってかまわないだろ!
うちの国は同性婚は禁止じゃないし!
世継ぎのことを心配してるんだったら、
魔道師に女体化できる薬を作らせて、
おまえが産めば」
ぶちっ、
テオミルのこめかみから
なにかがぶち切れる音がして、
ウィッツの顔から一気に血の気が引いた。
「おまえは子供か、このバカ王が!
一般人ならそれでもいいがな!
おまえは王なんだぞ!
国民の生活がかかってるんだぞ!
いい加減、聞き分けろ!
なにが女体化だ!
誰がおまえの子供なんて産むかよ!」
一気にそれだけまくしたてたテオミルは
ふん!と鼻を鳴らすと足音も荒く、
その場を去っていった……。
……なにがバカ王だ、テオミルの奴。
いいすぎだっつーの。
ひとり残されたウィッツは完全にふて腐れていた。
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