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……まあ実際。
ウィッツは彼女の実の子ではないので
無理からぬ話だ。
先王はあちらこちらの女と
精力的に関係を持ったものの、
ついに旅芸人の一座にいた、
踊り子との間にウィッツをもうけたのみだった。
その先王も一年前に侍女のもとで腹上死。
后は夫を失った悲しみのあまり、
実家であるナハル帝国に帰った……となっているが。
ただ単に浮気ばかりしていた夫の国に嫌気が差して、
実家に帰ったに過ぎない。
ちなみに現在このことを知っているのは、
テオミルただひとりである。
……ほんとあいつ、どうしてくれよう?
テオミルは完全にあたまを抱えていた。
……さっさと子供さえ作りゃ、
あとは好きにできるっていうのに。
大体俺だってあんな女、国の存続がかかってなきゃ、
ウィッツに絶対ふれさせるもんか。
先王の喪が明けると同時に
ナハル帝国から持ちかけられた縁談の話。
嫁いでくる予定の第三王女、イツラ姫は影で、
誰彼かまわず股を開く女として有名だ。
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