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鬼ノ木と云われる由縁。
それが大昔に飢饉を止めるために、木の根元で人柱を殺していた事など今を生きる誰が知ろう?
僕もこのカラダになってからしか知らなかった。
鬼ノ木は人の味を知ってしまった。
樹齢千と数百年と云われる此の木の正体は食人樹だ。
トシユキに刺さった根に電気信号が送られる。
「ふ、ふふふ、ふはははは」
トシユキが笑い出し、近くにいたミナミを押し倒す。
僕と同じ犠牲者がでた。
僕は狂った友人に、ミナミはトシユキに、【生きながらに喰われた】。
ケントは走り出した。
出口に向かって。
サキの居るであろう段差まで来た。
しかしそこに段差はなく、身体中引き裂かれたサキが鍾乳石に突き刺さっていた。
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