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「コルトゥィーユ様、お茶が入りました」
「ああ、ありがとう。そこへ置いておいてくれ」
「はい」
しわの目立つシャツに黒のベスト、きちんと手入れされていればもっと上品さが分かったであろう老人の衣服だが、この文字通り腐りきった時代の中では一級品だ
コルトゥィーユ老人はソファの背に所々穴の開いたコートを掛けた
「レイモンド、これを」
「はい」
僕は最近になってやっとコルトゥィーユ様の意図が分かるようになってきた
2か月前にこのお屋敷に働きに来た時には、コルトゥィーユ様から何度も叱られた
「レイモンド、あとで私の部屋に来なさい。大事な話がある」
「分かりました。それでは失礼します」
今は昼過ぎ、ディナーまではまだ時間がある
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