2人が本棚に入れています
本棚に追加
建物の陰を疾走する。
前方のコンクリート壁の窪みに入る直前発射音が聞こえた。
前方に跳躍し、肩から窪みに着地した。
壁は身体を掠めた弾によって抉られている。
「こちら偵察員エシバ!現在α地点、敵からの攻撃を受けた!逃げることを優先する!」
「了解!!γ地点にて強攻隊が戦闘準備中だ、そちらへ迎え!」
「ラジャー」
腰のホルダーに入れていたM18を敵の方向に投げる。
発煙の音を確認し、煙が広がるのを待って近くの建物内を全力疾走する。
敵が近づいてくる音も聞こえるが、構って等いられない。
M67を足元に転がし、シャッターの半開きになった赤い光の漏れる部屋へ一時隠れることにした。
ざっ、ざざっ、という足音の後に爆発音が聞こえる。爆音の中金属音を聞き取りMP5SD3のグリップを握る。相手の足音が近い。
ダダダッ
「うぐあっ」
撃とうとした時にはもう右足を撃ち抜かれ、頭に銃口を突き付けられていた。
「バーン」
相手がトリガーから指を離して口で死を告げる。
「射殺報告、射殺報告。赤側ミクニ、青隊…エシバを射殺」
「了解」
無線から相手陣の指揮官の声が聞こえる。
ミクニがシャッターの内側に入ってきた。
最初のコメントを投稿しよう!