-不死-

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身体が寒い。 しかもいつも脱衣所で感じるソレとは全く違う寒さ。 「がぁああぁぁあぁ!!」 絶叫で目が覚める。 身体は動かない。 右側の視界がない。 ミクニの絶叫は続く、イカレ狂った男の声ではない声が狭い空間に響く。 顔を動かして左腕が見えた。 デロンと断たれた皮膚は固定具によって切り開かれ、皮膚と皮下脂肪、筋肉の断面が鮮やかな赤を浴びてぬめる。 その内側に、ぷるりとした数層の皮膚の下、粒粒の脂肪とぶつ切りの筋肉が固定されている。 骨はむき出しにされ、垂れる鮮血は鮮やかな内部を強調する…… 身体の寒さは頭以外すべておなじ。 ここで自分の状態を知ることができた。 息もできている。 心臓の音も聞こえる。 内臓の音も聞こえる。 ぐちぐちぐちぐち…。 絶叫はつづく。 生きられているのは施術のお陰だろうが、俺も化け物になったものだ。
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