3人が本棚に入れています
本棚に追加
「なぁチャラ男……じゃなかった、明話があるんだが」
ゴールデンウィーク明け、五月中旬。
入学式から約一ヵ月経過し、クラスメイトも各々にグループを形成し、ある程度の集まりが出来ていた。
そんなある日の昼休み、高崎悠斗(タカサキ ユウト)は前に座る中学校からの親友、須藤 明(スドウ アキラ)に話しかける。
「俺は人をチャラ男呼ばわりするやつとする話はねーよ」
明と呼ばれた男子はワックスで整えた茶色がかっている髪をいじりつつ、スマホを触っている。
「……女を誑かしていい気になってる明君」
悠斗は一瞬考えてから言い直す。
「ぶっとばすぞてめー」
言葉だけでニュアンスの変わらない呼び方に対し、明は悠斗をキッと睨み付けた。
「……なぁ明」
「なんだチェリーボーイ、女なら紹介してやらんぞ」
今度は明が悠斗を煽る。
しかし、悠斗はそれには反応せずに明を真っ直ぐ見つめていた。
「女の子は紹介してくれなくていいから女の子にどうやって話しかけるか教えろください」
「人に頼む方法学んでから出直して来い」
「俺は今日こそ月野に話しかけて見せる!!」
明の言葉を無視して悠斗は一人でガッツポーズを決める。
最初のコメントを投稿しよう!