第19章 再び落ちて(続き)

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「ハードル……」 うん――。 なんとなく、鸚鵡(オウム)返しに呟いた彼女に、 彼は、ゆっくりと視線を上げて微かに頷いた。 にわかに、ぎこちない沈黙が彼らの間に横たわった。 そしてそれを静かに破ったのは、やはり忍。 「まずね、僕たちは、とても似た姿をしているけれど、 小さな生体レベルは、すべて違う。細胞も、遺伝子も」 そのため、たとえ結婚をしても子孫は望めない。 そして、彼らの一生の長さが違うゆえに、 いつの日か、彼らの肉体的年齢が逆転してしまうことが語られる。 「じゃあ、私が先に死んじゃうってこと?」 ポツンと口にした那々の問いに、目の前の彼は静かに頷いた。
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