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「最悪だ・・・この世の終わりだ・・・」
はじまりの四月なんて爽やかなタイトルで始まったのも束の間、こんなにネガティブで申し訳ない。
僕の名前は関マナブ(せき まなぶ)。十九歳。一応有名私立大学に分類されるK大学に通っている。
早いものでもうすでに大学生活も二年目を迎えることになるのだが、ここらで僕の身の上に起きた少し甘くて少し切なく、そして残った多大なる絶望を紹介しよう。
それでは、しばしのお付き合いの程を。
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「あった・・・やったぁぁぁぁ!!!」
時は三月十四日。マナブは自分のスマホをベッドにたたきつけながら喜んでいた。
大学合格。
必死の思いで勉強してきた成果が認められたのである。
母親、担任、友人に報告した後、彼は願掛けとして放っておいた髪の毛を切るために美容室へと向かった。
この日が彼の美容室デビューであった。いつもは美容室で髪を切る彼だが、合格したK大学はおしゃれな学生、おしゃれなキャンパスが自慢の学校であるので、華やかなキャンパスライフを夢見るマナブは思い切って美容室に行くことにしたのだ。
美容室に着くと、その独特なフローラルな香りに吐き気を覚えた。ワックスはもちろん、香水などの類とは縁遠い生活を送ってきたマナブにとってその匂いはまさに未知との遭遇であった。
アンケートのようなものを渡され記入し終わると、マナブの前にひとりの女性店員が現れた。
「関さんですか?お待ちしておりました」
マナブはその店員を凝視した。
茶色い髪は肩までの長さで見事にウェーブし、白シャツにGパンというかなりシンプルな服装だが、スタイルの良さからか恐ろしく似合っているうえに仕事ができそうな雰囲気を醸し出していた。
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