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「初めまして。わたしは一ツ橋カナ(ひとつばし かな)。今日担当させてもらいます。よろしく!」
「あ・・・はい。お、お願いします。」
カナの人当たり良さげな笑顔に少し圧倒されながら、マナブは案内された席に座った。
読む?とカナが持ってきた雑誌たちはどれもこれもおしゃれファッション誌だったのでマナブは読むのをためらっていた。そんなマナブに気を使ってかカナがしゃべり始める。
「すごい髪伸びてるね。学生さん?」
「そうです。この春から大学生です。」
「おめでとう!もしかしてこれは願掛けだったり??」
「そうなんですよ。終わるまで切らないって決めてたんで今日はバッサリお願いします」
「そっかそっか!じゃあ大学生活のスタートのためにお姉さんがかっこよくなる魔法かけてあげる!」
そういうとカナは鼻まで伸びていた前髪を目が見える長さまで切った。これで見やすくなったでしょ?と問いかけるカナの笑顔を、前髪という障害物なしに見た瞬間、マナブは自分の中に電気が走った感覚を覚えた。
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