第11話 先生

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「セックスはしない」 いつの間に作ってきてくれたのか、ベッドサイドテーブルの上に、菜々美の好きなミルクティーをコトンと置いて“先生”は静かに言った。 「菜々美の事が、大切だから」 目頭がじわりと熱くなり、視界がぼやけた。 寂しさと不安と嬉しさが混ざり合った、とても複雑な気持ちに満たされていく。 菜々美は小さく頷いて、温かなミルクティーのカップを、そっと両手で包み込んだ。
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