第13話 終わらない夜の始まり

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色をなくした階段を、優馬はゆっくり上った。 泣きたかったが、泣くつもりは無かった。 そんなこと、自分には許されないのだと思った。 泣いていいのは、愛する子供を失い、優馬という存在を抱えて身動きできなくなっている、可愛そうな紀美子だけなのだ、と。
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