第1章

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 潜在意識の下、人は自分を基準にして他人に対して評価を下す。  だから私達の中には絶世の美人もいなければ、二目と見れないブサイクだっていない。  ちゃんと、私達自身がそうなるように自らの意思で選んだからね。 「ねぇ、もしかして×××さんの話?」  そこで話に食い付いてきたのはクラスのリア充グループに所属する一人の女子生徒。  私ほどではないが、そこそこ肌のキメが細かくて、なにより全てにおいてのパーツが黄金比に嵌まってる彼女は男女共に人気の高いクラスのアイドル。  目を爛々と輝かせて私の言葉を待っているところを見ると、性格はそこまで宜しくないように思える……が。  そこは問題ない。  欠点があるから人間なのだ。  普段はまともに話したこともない彼女の登場に、私達のテンションは瞬く間に上がっていった。 「あれじゃあ化粧でも隠せないよねー。てか、化粧してあれなのかも……」 「ひゃ~悲惨~」 「男も嫌だよね。だってあれとキスなんて目瞑ってても出来ないだろ~」 「私なら余裕で首吊るね。誰からも愛されない人生とか考えられないしぃ」 「今度から“ゲツメン”って呼んでやろうかな?」  
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