第二章「剣 -brade-」 続き

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 わけがわからず剣と男を交互に繰り返し見るアレに、男は試すように声をかける。  それにアレは剣をゆっくりと持ち上げようとするが、 「こ、こんな、の……振れ、ない、けど……っ」 「けど、ないよりいい」 「う……う、わっ」  さらに押し付けるように、鞘も渡される。  その二つの重量合計2,5キロを持て余し、アレは後ろにひっくり返る。  その様子に男はケラケラと笑い、 「かかか……で、あんたバイタじゃねぇだろ?」 「……?」  初めて聞く単語に、アレは剣をとりあえず鞘に収めて横にのけ、疑問符を浮かべる。  男はボサボサの髪をかき上げ、 「売りやってる女のことさ、売女(バイタ)」 「?」  これだけ言ってもわからないアレを男は覗き込み、 「娼婦じゃ、ねぇだろ?」 「かっ」  アレは唐突なその言葉に、むせかえる。  意味だけは知っていたが、とんでもない言葉過ぎて空気が肺から喉を通って漏れ出ていた。 「あ、当たりっ、前」 「かっかっか、そう怒んなよ」
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