第二章「剣 -brade-」 続き

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 そこでガクッ、とアレはくずおれた。  跪き、そして痛みに呻く。  それに一瞬男は呆気に取られ、 「と、これは失礼。レディに立ち話をさせただなんて、紳士として礼に失して――」 「…………」  恭しく一礼する男を、ただアレは感情のない透き通った瞳で見上げるだけだった。  それに男も軽口を止め、 「……どうしたん?」  ただ、一言。 「……わたし、普通に歩けない」  男はそれに、言葉を失った。  それは男が想像もしていなかったことだった。  だがしばらくして、言葉の違和感を感じとった。 「……"普通"に?」 「こうすれば、歩ける」  言ってアレは近くに転がる杖を手にして、全身の力を振り絞り、それを頼りに立ち上がった。  息を切らし、挑むように。  その腰には、先ほど与えた剣を差して。 「ハーッ、ハーッ、ハーッ、ハーッ……!
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