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それでさぁ、怖くなった私は次の日の出勤。
開店前の準備をしてるお父さんを手伝った後、
お客さんが来るまでカウンターに座ってタバコ吸ってる女の子達の所に行った。
「ねぇねぇちかちゃん!私ついにお股解禁したんだよ」
ちかちゃん「笑っ!ありさちゃん笑。誰としたん?」
皆興味深々な顔
私「すんごいブサイク。しよる時、涙出よった!笑。でもカビ生えんために頑張ったぁー( ̄▽ ̄)笑」
京子さん「アリサちゃん、やるねぇー」
私「そうなんですぅー。
伝説のゆり子さんの話も聞いたし、
私も場数こなさないかんなって思って( ̄▽? ̄) 笑。
その後キモイのやらないかんのやったら、最初っからめっちゃキモイのやった方が、
諦めがつくと思って笑」
諦め…
本当は嘘だ。
こうくんといない間に、自分を綺麗に磨いておこうと思う私と、
こうくんといれない私なんて、ボロボロに汚れちまえ、どうにでもなっちまえ、汚く汚く汚れてしまえって
どこまでも自分を落としたい自分がいた。
もしかしたら、迎えに来てくれるかもしれないし…
だけど、
もしかしたら…迎えになんて来てくれないかもしれないから…
どうしたらいいのかわからなかったし、
どうしていいのかもわからなくて、
自分がどうしたいのかもわからなかった。
でも、とりあえず伝説のゆり子さんへの憧れはあった。
飲み屋をやるからには、1度くらい、
1番になってみたかった。
もし、こうくんとまた会えた時、
「こうくん、私ねあのお店で1番だったんだよ」って言えると思ったから。
それで、こうくんが喜ぶか悲しむかは別としても、
「こうくんの女だった者たるもの、
店で1番にくらいなってないといけない。」
私はそう思ってた。
それくらい、こうくんはいい男だから。
こうくんと別れても、
こうくんの女だったって事実は消えない。
誰かに私の事を、こうくんの女だったってことを言われても、
こうくんが恥ずかしくないようにしていてあげたい。
こうくんが、あいつは俺の女だったんだよってことを、誇れるような女に、自分を仕上げないといけない。
私はそう思ってた。
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