冷やし中華、はじまりました

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「ところで、表の張り紙、冷やし中華『はじまりました』ってどういう意味?」 「あ、気づきやしたか。いやなに、自分が作ろうと思って冷やし中華を出したわけじゃなくて、ある日はじまっちゃったんですよ。ですから、そのまま表現したってわけでして」 「はぁ。」 言っている意味がよくわからない。何となくうすら寒い気がしたので、会計を済ませてさっさと店を出た。 さて、用事を済ませるかと電車で移動していたのだが、冷やし中華を食べ過ぎたせいかクーラーで冷えてしまったせいか、どうにも腹具合がよろしくない。途中下車し、慌ててトイレに駆け込んだ。 ああ、やはり調子の良くない出かただ。いつもはスポーンとキレが良いのだが、細いのがにょろにょろと出る。その後はしゃーしゃーだ。ちょっとだけ酸っぱい匂いもする。 あまりにもいつもと感触が違うので不安になった。尻を上げて自分が出したモノを確認する。 そこにある茶色い汁、黄金色の紐状の物体を見てわが目を疑った。 これは、間違い無い。 冷やし中華、はじまりました。
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