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最悪だ…この世の終わりだ…
かわいがっているペットがふらりと出ていったまま帰ってこない。
落ちこんでいるボクを友人が笑いとばした。
「なんだ、またペットがいなくなったのかよ。オレなんかな、ここんところずっと彼女に会えてないんだぞ。LINEもメールも電話も全部反応なし! はあー……」
隣に座る友人の笑い声は最後にため息となった。机に突っ伏しながらの。
西陽の射しこむ教室はひっそりとしている。とっている講義が休講になったため、ボクたちはこの空き部屋でダベっていたのだ。
「まあ、ボクはこの前彼女に振られたけどね。二股かけられてたよ」
ボクの呟きに友人が顔をあげた。
「でもって、その彼女と今、つきあってるのがお前なわけだけど?」
ボクは友人を横目で見遣った。彼の背後で黒い靄がゆらゆらと漂う。その靄が凝り、あらわれたのは黒い猫。たぶん、猫。
ああ、良かった。ようやく戻ってきてくれた。
「おかえり。まだ、おなかが空いてるだろう? そいつも食べるといいよ」
ボクは、友人だった男を指差し、うっすらと嗤った。
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