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帰り道にある公園の西口付近にて。
「――ごめん! 他に気になる奴出来てさ」
わたしの目は大きく見開いた。
帰り道にある公園の東口付近にて。
「――ごめんな。お前より好きな奴出来た」
アタシの口は大きく開いた。
――――
あー……まさかフラれるなんて。
あー……まさかフラれるなんて。
「――あ」
「――あ」
公園の南口で、わたし――雪(ゆき)と、アタシ――霰(あられ)は鉢合わせた。
西口と東口、互いに、同時に歩いて来たようで。
帰り道が同じだから仕方がない。
「……その顏、見た事ある」
雪が言った。
「……アタシもその顏、覚えある」
霰も言った。
一呼吸置いて、せーの、と言ったのは同時。
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