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「あ、そうだ!!」
ちょっと待っててねと言い放つと、エクート様はベッドから飛び降り、解き放たれた子竜の如く駆け出していった。
俺は不安げな表情を浮かべていたミモザに声を掛ける。
「言ってないの?君がオータム……魔法使いだってこと」
「うん、知ってるのは陛下だけなの」
別に言った所でエクート様の態度は何も変わらないだろう。
そうミモザに言おうとしたら、俺の意を汲んだミモザはかぶりを振った。
「今では私達は稀少な存在でしょ。それがバレたら、他国から狙われる可能性も出てくるし、そうなったら、今みたいに平穏には過ごせなくなっちゃう。
……エクート様が言いふらすなんて絶対にないけど、あの子、嘘がつけないから」
誰かにミモザが狙われていると分かったら、すぐにそいつをやっつける自信はある。
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