イストルランドのオバケ退治

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年下の子供相手にそう気を遣うことはないと言われたのだが、王妃様なんて生き物と話した経験のない俺にとって、それは無理な注文だ。 今までだって、間にアン……いや、ミモザがいたから会話が成り立っていたようなもので、こうして二人きりになってしまえば、まずもって話の糸口が掴めない。 「体の方はどう?少しは動く?」 俺が首を縦に振ったのを見て、ミモザ探しを諦めたエクート様は、標的を俺に定めた。 何処にいるか分からないと知れば早々に立ち去るだろうと思っていた俺は、期待が外れて内心舌打ちする。 正直、ミモザ以外と話をするのは苦手だ。 元々根暗な性格なんだ、地下を出てきたからといって、いきなり明るくなんてなれるはずもない。 「あ……まっ、まぁ……少しは……」 言葉の代わりに、俺はようやく動くようになってきた右手を揺らして見せた。 シダーの調合薬のおかげか、本のページを捲るくらいのことはできるようになっていた。 下肢はまだ少ししか動かないが、元々捨てる気だった足だ。 リハビリは続けているが、例え無駄に終わったとしても惜しくはない。
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