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「そかー!良かったね。うちならいつまでいてもいいから、気にしないでね!」
他人事だというのに、エクート様は自分のことのように喜んだ。
裏表のない、本当に心から嬉しそうな笑顔だ。
ミモザが好きになるだけのことはある。
「はい……ありがと……ざいます……」
まあ、城が家ならそういう言い方になるよな。
俺は横になったまま頭を下げた。
ふと見ると、口調は明るいが、エクート様はなんだか浮かない顔をしているようだった。
さすがに、訊いてみた方がいいよな。
無視する訳にもいかず、俺はごくりと唾を飲み込んだ。
喋りかけるだけで、物凄く精神力を消耗するのだ。
これなら俺が知っている最強の魔法を使う方がまだ楽だ。
「……あっっ、あの……」
「あ、ミモザ!!」
…………ナイスタイミング。
俺が意を決した所で扉が開いて、買い物帰りのミモザが現れた。
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