イストルランドのオバケ退治

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「召喚師は、主に地中にアンデットを潜ませているの。この間シダーを襲撃させたアンデットの残りが、術者の手を離れて、この辺に残っていたとしても不思議じゃないわ」 「アンデット……って、やっぱりオバケじゃないかぁ!!」 エクート様は泣きそう、というより既に涙目だ。 「だからミモザ、お願い!ミモザはオバケを浄化できるんでしょ!!」 「わっ…………私!?」 突然の指名に、今度はミモザが跳ね上がった。 「たっ、確かに聖職者は、死霊浄化魔法を使える……はず、だけど……」 ミモザは困ったように、俺に視線を向けた。 ミモザはオータムリーフの魔法使いだ。 魔法使いは、基本的には自分が契約した精霊以外の魔法を使えないし、使えたとしても威力は半減する。 アンデットの浄化は闇属性。 ミモザは、いわゆる植物属性とでも言おうか。 無理矢理やれば闇属性魔法を使えないこともないけれど、他属性の魔法は不安定だから、いつ使えなくなってしまうか分からない分、実戦での危険度は増す。
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