第三章 異端魔術師はパンツがお好き

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 生地は思いのほか荒い。もっとスベスベしているのかと予想していたが、そうでもなかった。  形は……なんだか布面積が思っていたよりも大きい気がする。  ヴァンはおかしいなとは思ったが、女性の下着に触れるのは初めてだ。もしかしたら、こういう下着もあるのかもしれないと結論づける。  さらに触ってみると、驚いたことに三つ目の穴が存在するではないか。両足を入れるところの他に、もう一つ小さい穴がある。  その穴をふさぐ生地があり、そこにボタンらしき物が縫い付けられている。まるで男性用の下着みたいに、アレをちょろっと出す穴みたいだなぁと、ヴァンは不思議に思った。  …………男性用の、下着?  ヴァンはおそるおそる目を開けた。  彼の手に握られていたのは――。 「男物のトランクスじゃねぇかぁぁぁぁ!」  ヴァンは男性用下着を地面に叩きつけて吠えた。
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