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「おいリーゼ! 卑怯だぞ!」
「卑怯じゃないわよ。私、べつに騙してないもの。お互い、ちゃんと約束を果たしたわよね?」
「そ、そうかもしんないけどさ……」
「約束を交わすときは、契約内容をよく吟味しないといけないわ。ふふふ、ちょっと痛い目を見て、いい経験になったんじゃない?」
「ム、ムカつく……リーゼ、ムカつくっ!」
「それはこっちの台詞よ! あの一件以来、クラスメイトから変人扱いされるようになっちゃったんだからね! あだ名がパンツさんとかになったらどうしてくれるのよ!」
「それは俺のせいじゃなくね? パンツロッテさんの自業自得です」
「誰がパンツロッテよ! 微妙に語呂がいいのが腹立つわね!」
「うるさい! なんでトランクスのためにクラス代表にならなきゃいけないんだよ! ふざけんな!」
「あら、ごめんなさい。次の機会があれば、ブリーフにするわ」
「そこじゃねぇよ!?」
「いい加減、あきらめなさい。男のクセにみっともないわよ?」
「うぐっ……」
とうとうヴァンは押し黙り、がっくりと肩を落とした。クラス代表戦には勝ったというのに、今はもう負け犬のツラをしている。
リーゼロッテは若干引いてはいるが、見ていていたたまれない気持ちになる。子どもの玩具を取り上げたような、居心地の悪さを感じるのだ。
見かねたリーゼロッテは、落ち込むヴァンに声をかけた。
「悪かったわよ。その、これで機嫌直して?」
リーゼロッテは白い小包をヴァンに手渡す。
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