第四章 クラス代表集結

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 ヴァンが彼女の右隣に、さらにその右側の席にルーシーが、それぞれ着席する。 「あたし、一年D組のクラス代表のステラ=リュミエールって言いますっす。よろしくっす!」 「ああ、よろしく。俺はヴァントネール――」 「知ってるっすよ」  ステラはアヒル口をすぼめて、得意気に話す。 「ヴァンといえば、あのアリア=シーメールを倒した魔術師じゃないっすか。しかも、ヴァンは学年最下位! まさに落ちこぼれの星っす! 憧れちゃうっすよー」  瞳を輝かせ、饒舌に語るステラ。初対面の相手に「落ちこぼれ」は失礼だが、持ち前の人懐っこさのせいか、あまり嫌な感じはしない。 「はぁ、そりゃどうも。だけど、俺は誰かに期待されるような魔術師じゃねぇよ?」 「お、クールっすね。そういう自分の実力を自慢しない奥ゆかしさ、マジかっけぇっす!」  ステラはくねくねと体を動かし、ヴァンを褒め称える。妙にテンションが高い女の子だ。  ヴァンが「こいつもめんどくさい感じかな……」と懸念したとき、ステラの左隣に座っている男子が会話に入ってきた。 「よく言うよ。ステラだって、学年三十二位なのに、学年三位と四位を退けてクラス代表になったって聞いたよ?」  その男はニカッと笑い、白い歯を見せる。  かなり筋肉質の男だった。腕なんてヴァンの二回りも大きくて太い。魔術と肉弾戦を駆使する魔術師なのかもしれない。
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