第四章 クラス代表集結

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「やばいっす。鼻血でそうっす……」 「おいおい。ステラ。大丈夫かい?」  マックスは、鼻を押さえるステラにハンカチを差し出した。ステラは申し訳なさそうにハンカチを受け取る。  このマックスという男、紳士的で優しいヤツだ。ヴァンはそう思ったのだが……。 「ステラはレディーなんだから――」  腕を曲げ、上腕二頭筋をふくらませるマックス。 「人様の前で邪な妄想は――」  胸を張り、大胸筋を躍動させるマックス。 「してはいけないよ?」  立ち上がり、後ろを向いて両腕を上げ、背中に逆三角形を作るマックス。  制服の上からでもわかる。彼は真性のボディビルダーだ。 「マックス……あんた、筋肉すげぇんだな……」 「ああ。筋肉は友達さ!」 「魔術師の俺にその発想はなかったぜ……」  彼だけは常識人だと思っていたのに……やっぱりこの学園、変人しかいなかった。 「そちらのお嬢さんは一年B組の代表かい?」  着席したマッスル、もといマックスはルーシーに尋ねる。 「うん。ボクはルーシー。よろしく」 「よろしく、ルーシー。ヴァンと一緒に入って来たようだけど、知り合いなのかい?」 「知り合い。というか、許嫁」  その言葉に真っ先に反応したのは、ヴァンではなくステラだった。 「ヴァンは浮気者っす! マックス君というフィアンセがいるのに!」 「お前の中ではな! どちらとも婚約してねぇから!」  駄目だこいつ。早く何とかしないと。ヴァンは学園生活の平和を取り戻そうと、必死に思考を巡らせる。
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