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考えていると、一人の女生徒が立ち上がった。ティナ=バストゥールだ。
「皆さん、楽しんでいらっしゃいますか? なにやら同学年の代表同士で盛り上がっているようですね」
笑顔で周囲を見回すティナ。代表のみんなも笑顔で応える。
「楽しい時間もそろそろ終わりです。時間もロクに確保できなかったばかりか、たいしたもてなしもできず、申し訳ございません……」
「んなことないっす! 楽しかったっすよー! またこういう機会、作ってほしいっす!」
謝るティナに、すかさずフォローを入れるステラ。
あのままでは、ティナは間違いなくネガティブ妄想にダイブしただろう。ステラのさりげないファインプレーが光った瞬間だった。
なるほど、ステラは基本的にはいいヤツである……腐った妄想さえしなければ。
「ありがとうございます、ステラさん」
ステラに礼を言って、頬を緩ませるティナだったが、すぐに表情を引き締める。
「解散する前に、一つだけ連絡事項があります」
ティナの真剣な表情が、室内の空気をピリつかせた。代表者たちの顔色に緊張が走る。
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