第四章 クラス代表集結

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「最近、男子寮で『荒らし』が出没しているのはご存知でしょうか?」 「ちょっと前まで多発していた事件の犯人ですか? 金品等は奪われないけれど、部屋の中をぐちゃぐちゃにかき回される、例の事件の……」  代表の一人の声に、ティナはうなずいた。 「そのとおりです。クラス代表戦以降、事件は起きなくなったのですが……最近になって再び『荒らし』が出没したのです。しかも、今度は金品を奪われたとの報告が入っています」  一呼吸置き、ティナは続ける。 「男子の皆さんは部屋の施錠をしっかりと行い、貴重品の管理を徹底するように呼びかけをお願いします。女子寮では事件が起きていないとはいえ、女子の皆さんも気をつけてください。今後も何もないとは言い切れません」  ティナの話を受け、ルーシーは「怖いから、夜はヴァンと寝るしかない。ヴァントネールだけに」とくだらないことを言った。このしょうもないシャレに、ステラだけが笑っている。 「不審な人物がいないかなど、情報共有もお願いします。また、今度から我々クラス代表で男子寮のパトロールをすることになりました。同学年でペアを組み、見回りをしていただきます。男子だけでなく、女子にもご協力をお願いします」  そう言って、ティナはぺこりと頭を下げる。  即座にヴァンは考える。  ――誰とペアを組むべきだ?
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