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「ねぇねぇ! どんな子がいたの? 先輩たちはカッコよかったかい? ヴァン好みの可愛い子はいた? ヴァンより強そうな魔術師は? ねぇ、早く話してよ」
「いっぺんに質問するなって。わかった、話すよ」
ヴァンは苦笑し、この前のクラス代表の会合について話をした。
幼なじみのルーシーとの再会。腐女子のステラと、ボディビル魔術師のマックスと出会ったこと。そして、学園一の魔術の腕を持つ先輩との面倒な会話……ヴァンが話すたびに、ディーは大げさに驚く。
「――とまぁ、こんな感じだったよ。この学園、変人しかいないのかって思ったね」
「くふふっ! そっかぁ。今の話を聞く限り、個性的なメンバーばかりだもんね」
「ああ。でも、ディーには負けるかもな」
「まあね。私はマッドサイエンティストだから!」
「頼むから普通のサイエンティストになってくれよ……はぁぁ」
ヴァンは疲れを吐き出すように嘆息した。
ディーとは、基本的に友達感覚で付き合える。だが、例の恐怖のメンテナンスだけはどうにかしてくれと強く願うヴァンであった。
「どうしたんだい、ヴァン。元気だして?」
「まったく、お気楽なんだから……っと、もうこんな時間か。俺、そろそろ行くわ」
「えぇっ! もう行っちゃうのぉ……?」
「そんな捨てられた子犬みたいな顔するなよ。また会いにくるからさ」
「……うん。待ってるよ」
ヴァンがディーに手を振って、地下室を出ようとしたとき、
「ヴァン! 一つだけ、大事な話をしてもいいかな?」
ディーに呼び止められた。
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