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ヴァンが王立ファウスト魔術学園に入学して一週間がたった。
新入生たちは学園生活だけでなく、寮生活にも慣れてきた頃だ。
ヴァンの部屋は一人部屋だった。その代わり、物置部屋を改装した部屋で、狭いうえに窓がない。
とはいえ、彼自身は日当たりがないよりも、同居人がいないほうが嬉しかったらしく、結構気に入っているようだ。
「へぇ、ヴァンは一人部屋なんだ。私も一人がよかったなぁ」
リーゼロッテは羨望のまなざしでヴァンを見つめている。
現在、二人は魔術演習場での授業を受けている。先日、ヴァンが魔術講座を開いた場所だ。
受けている授業は魔術演習。担当の教師に名前を呼ばれたら、みんなの前で初級魔術を披露することになっている。
名前を呼ばれるまでの間、生徒は座って待機する。出番までは暇なので、ヴァンとリーゼロッテは雑談していたのであった。
「バスルームがないから、学生共有のシャワー室に入らないといけないのが面倒だけどな。リーゼのルームメイトはどんなヤツだった?」
「……あれよ、あれ」
リーゼロッテが視線を送った先にはアリアがいた。
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