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さて、次の交代が来るまで後ーーーー
ポケットにしまいこんでいた携帯を出し、時間の確認。携帯電話の液晶がバキバキになっている。
もう慣れたもので、やや斜めに傾けて時間を確認する。後2分で0時になるところだった。
『ああ、携帯変えてーーー、はぁ』
変えられるものならとっくに変えている、イカンセン金がない。
兎に角ここに立っているだけで明日の飯は買えるって、そんな感じのその日暮らし。
『あれ、あ、あれ?おーい、マジかよ、勘弁しろって』
突如誘導棒が電池切れ。辺りは電灯がない。かすかに寺からの光が入ってくるだけのほぼ暗闇と化した。
懸命に棒の底を叩くが、2、3回点滅して完全に消えてしまった。
『こーゆーときに限って、予備の電池持ってきてないんだよなぁ、俺。ほんとバカ』
完全と言っていいほどの暗闇、今日は曇っていて月明かりさえない。右を見ると墓地、まあ、見えてはいない。
左を見ると寺…の明かりも消えてしまった。何度かここで仕事をしているが、どうやら0時にあの明かりは消えるようだ。
え?俺どうすんのよ。
俺はその場でしゃがみ込み、脱力した。
数分経った頃、俺はあることに気がついた。そう、携帯電話の存在だった。
『まあ、これでも何も無いよりは』
ポケットからまた取り出したところ、急に目の前に青い光が見えた。
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