休日のひと時

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暫くして戻ってみると、同期の皆は2人で出て行った私たちのことをからかった 「2人でどこ行ってたんだよ」 「ちょっとな…お前らには内緒」 と、高森はちょけてみせた 私のことを正直に話してもらってもいいのに… 気を使わせたのだろうか…? 考えていることが伝わったのか高森が小声で 「さっきのことは俺と蒼井の秘密な また皆で飲みに行きたいから 蒼井が慣れるようにこれからいろいろ連れていくから」 シーのポーズで笑って、何もなかったように席に座って皆と話し始めていた 由香以外の人と傍に居て穏やかな気持ちになるなんて初めてだった 高森にとっては何でもないことだろう… だけど私にとっては特別な時間で、高森を特別に想うきっかけだった… 「どうしたの?」 由香が覗き込む 「あ…えっと…同期のことで、ちょっと」 「うん」 にこりと笑顔で私を見る 変わらない由香の笑顔に私も笑顔になる 「昨日、一緒にご飯に行ったんだけど いつもと違って…元気がなくて 後輩の話をすると不機嫌になって 私のこと鈍いって」 「うん」 それから? 由香の目はそう言っていた 「少し、ほんの少しだけど自分のことを話してみた 私が周りと深く付き合うことができないことと 私がどう思われてきたのか」 「その彼は何て?」 「私は自分の話をしないし、人のことも必要以上に聞いたりしない… …って何で彼…?」 ふふっ…不敵な笑みを浮かべて 「誰でも分かるよ! で、それから?」 恥ずかしい… 顏が赤くなるのが分かった 顏が熱い 由香はニヤニヤして 私が話始めるのを待っていた 「だから、きっと皆壁を感じているだけかも… でも俺はその壁をなくしたい…って」 その後の言葉は恥ずかしくて呑み込んだ 〝俺との壁だけでいいんだけど“ 高森は私のことどう想ってるの? 面倒見がいいから、心配してるだけ…? 特別に想ってくれていたりするのかな… 「そっか… それで雪も彼が気になるのね…」 「…気になってる…んだね」 あの日から…特別だと思った日から 私、高森のことが好きなんだ… 好きと自覚して顏が熱くなる 触れられて胸がぎゅっとなるのも 熱く感じるのも 好きだから…
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