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「良かったよ
うまくやってるんだね…」
そう言って、目の前のカップに手を伸ばす
これからどうしたらいいんだろう…
自分の気持ちに気付いても…
これ以上どうすることもできないのに
こんな気持ちになって
きっとまた相手を傷つけて…自分も傷ついて…
イヤだ…
もうあんな想いはしたくない
私の気持ちを高森は知らない
高森の気持ちだって…私を想ってくれているかなんて分からない…
今ならまだ忘れられる
「あれ、蒼井?」
呼ばれた先を見ると高森が立っていた
私服の高森は初めて
カッコイイ…
ぶわぁっ…
意識したばかりで…
私ってば何考えてんのよ…恥ずかしい…
「休みに会うの初めてだな
何してんの?」
昨日の元気ない雰囲気は全く感じられない
いつも通りだ
「友達とお茶してて」
と…紹介しなきゃ…
「初めまして、同僚の高森です」
「初めまして、西村です。雪と高校から一緒なの。
よろしく」
ペコリと互いに挨拶を交わした
笑顔の2人を前に、さっきまで高森の話をしていたのだと思うとまた赤面
そんな私の様子を見てニヤニヤ顔の由香
「んじゃ、蒼井またな」
高森の手が肩に触れる
触れられた肩が熱をもつ
「またね」
ふり絞った声が上擦ってしまった
高森には気付かれていないだろうか
去って行く高森の背中を見つめて
そんなことを考えていると
「同僚の高森さん」
ニヤリとほほ笑む
「なに?」
「バレバレだよ…」
「そんなに顔に出てる?」
両手で顏を覆った
また顔が熱くなる
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