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「蒼井さん、今のクライアントどう?」
「ちょっとスケジュールが厳しいけど…
大丈夫…」
「手伝えることあったら言ってね」
「ありがとう」
田中さんの気遣いはとても嬉しく思う
「そろそろ田中も担当持つんじゃない?
余裕あんの?」
ぱっと高森の顔を見た
…なんか…トゲトゲしい感じ…
「大丈夫ですよ!まだ担当も少ないですし」
「田中さん担当決まったの?」
「てか、蒼井も後輩の担当先知らないの?」
「…うん…」
「冷たい先輩だな…」
ごめん…と言いかけたら
「さっき課長に言われたところだから
知らなくて当然だよ…気にしないで…」
ニコッと微笑んだその顏が彼の優しさを引き立てた
「田中さんは仕事が早いからつい頼っちゃって…
気をつけるね。」
…と、私も笑顔を返す
「蒼井…今日飲みに行かない?」
オフィスに入りデスクに戻る間際高森に誘われた
さっき少し機嫌が悪そうだったけど…
私とでいいのかな…
「うん…多分定時には終われると思う。」
「んじゃ、また後で。」
高森の手が肩に触れた…
そのまま足を反して高森もデスクに戻っていく
「今日、高森さんと飲みに行くの?」
また…田中さんの表情がくもる…
「うん…
田中さん何か悩んでいることがあるなら…
私で良かったら話聞くけど…」
話を聞くだけなら…
「じゃあ、今度一緒に飲みに行こうよ」
そして、また爽やかスマイル
心配かけまいとしているのかな…
寂し気な笑顔にも見えた…
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