重なる

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「課長、これは…」 「ああ、それは」 深夜の残業。部署内には課長と私のふたりっきり。背後に立った課長は、マウスの私の手のうえにそっとその手を重ねた。 「これでOK。…どうした?」 私の熱い手にふれる、課長の冷たい指先。見上げた課長の、レンズの奥の瞳はすましたように笑っていた。
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