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【やさしくなる】
初めて犯されたあの夜からお義父さまは、週に一度、外に連れ出してくれるようになった。
自分の会社に行くついでであったり、会合であったり、その前後に、行ったこともないようなお店でご飯を食べさせてくれた。洋服や靴といったちょっとしたものから、「持っていないだろう」と、小紋や紬といった普段着から訪問着まで着物一式を買ってくれた。自宅にはすぐに着付けの先生が来るようになり、レッスンが終ると義父に見せに行った。
義父は目を細め、雪をくるりと回らせた。
時々「いらないです」と言ってもお小遣いまでくれようとし、雪に無理に握らせる。
恋愛などこれまでしたこともなく、夫とも心通わせることができない中、気づかぬうちに犯された時の恐怖が薄れ、義父に好意を抱くようになった。
義父は、だんだんと荒っぽい事をしなくなっていた。
まだ毎日抱かれていた。
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