【旧家に嫁入り】

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眼が覚めると近くにお義父さまの顔があった。 「僕たちは、こうなる運命だったんだよ」違和感と薄気味の悪さを覚えた。 「私は、貴方の息子さんの嫁です」 「ああ、判っている」と言われ混乱した。 これは貴方が仕掛けてきたことで、私はただそれに巻き込まれただけ。 納得できない私の顔を見て、 「男と女なんて片方だけの思いでは成立しないはずだ。互いに引き合っているものだ。お前も俺を誘ったはずだよ。」 そんな覚えなど無く、ただ義父が自分に都合のいいよう解釈していると思った。 続けて義父は、「今頃、こんな気持ちになるなんて思わなかった」と強く抱きしめた。 「仕方ないこととはいえ、息子にはあまり抱かれて欲しくない」 「それは、できません。」そう答えると、 「判っている。自分の勝手だとも。でも雪が別の男に抱かれると思うと嫌なんだ。」 「それは・・・、結婚しているんだし。それに、この結婚を進めたのは貴方です。」 「苦しいんだ。だから辛いんだ。」 子どもみたいだと思った。 「初めから、こうしようと決めていたんですか?」昔、ぞっとした想いを聞いてみた。 「そこまではっきりと決めていたわけではない。でも、家に来て欲しかった。ただそれだけだ。」十分すぎる下心のように感じた。 「初めから俺の嫁として来てもらえばよかった」 それはあまり現実にはあり得ないと思った。 それから1月近くの間、夫からも良く抱かれ、義父からはもっと抱かれた。 そして、どちらか判らぬ子を孕んだ。
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