嵌る

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結果は陽性だった。 義父と夫どちらの子かなんて考えるまでもない。 青ざめ、吐き気がし、蹲(うずく)っていると、人々が怪訝な顔で通り過ぎるから急ぎ座る場所を探した。 どうしよう。 夫には、まだ言えそうもない。 母に、何かを気取られてしまいそうで実家にも帰れない。 頭が真っ白になり、そのまま座っていた。 9時、ショッピングセンターも閉まり、携帯を見ると義父からの着信がいくつか残っていた。 結局、帰るところなんて他に無いから義父のいる家へ着くと、 「雪、どうかしたのか!」と、慌てて義父が飛び出してきた。 「・・・が・・・できました」とだけ言った。あとは、ぼろぼろと泣けてすくんでいると、 「可哀想に、寒かったろう」と家に連れて帰った。 義父はすごくはしゃぎ、喜んでいるように見えた。そんな様子がとても楽天的に感じ、どうして私だけこんなに責任を負わなければならないのだろうと思えた。 結婚し、すぐ妊娠。 堕胎する理由なんてどこにも無くて、でも、多分だけれど義父の子のように思えて仕方なかった。 聞いても仕方ないとけれど他に相談できる人がいなかったから 「どうしよう、お義父さま」そう言った。 「産めばいい」 「でも・・・」 「それにまだ、どちらの子か判らないし」と言われ、すごく傷ついた「・・・お義父さまだと思います」あれほど中にされたじゃないですか・・・後半の言葉は、飲み込んだ。 義父にちょっと迷惑そうな色が浮かんだけれど「それなら、嬉しいことじゃないか」とまたはしゃいだ。
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