高木圭介

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オレは毎日、美優と会うようになって、自分も変わらなくちゃって、柄にもなく思った。 美優には母親がいるけど、美優がオレと同じように、恵まれない境遇で育ったのは同じだった。 だけど美優は、自分の未来をあきらめていなかった。 心から願えば、夢はきっと叶うって、美優は笑いながらオレに言っていた。 オレはそんな美優を見てると、何だか美優が、まぶしくて、うらやましかった。 だからオレは、彰男先輩のグループを抜けて、働こうって思った。 オレも本当は、今とは違う自分に変わりたい。 クズでどうしようもない自分から、抜け出したい。 オレが美優にそう言ったら、美優はうれしそうに笑ってくれた。 オレはそのことがうれしくて、美優のために頑張ろうって、思ってた。 だけど、オレが働き始めて、美優のことを本気で好きになった頃に、 あの男はオレたちの前に現れた。 その男は、藤城敬。 これからオレたちが巻き込まれることになる 最悪のゲームの考案者だった。
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