プロローグ

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オレは監視部屋と呼ばれている殺風景な六畳の部屋の中で、 志村勝というスキンヘッドのゲスな男と拷問部屋の様子をモニターで見ていた。 モニターに映るのは、拷問ゲームのオレの対戦相手、大和田守と 拷問者である藤城敬と四人の部下たち。 大和田は、藤城に怯えて、目を泳がせながら、叫んでいた。 「や、やめて……。 もう、やめて下さい!」 大和田の涙声を聞きながら、オレは大和田が、「参りました」と言ってくれることを期待していた。 大和田が負けを認めない限り、二人の勝負に決着はつかず、今度はオレが拷問を受ける番になる。 オレはそんなことを思うと、胃がキリキリと痛み出した。
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