プロローグ

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「あの大和田って、ガキの怯えた顔を見てみろよ。 もうこの世の終わりみたいな顔しやがってよ。 ああ、おもしれぇ。 人の不幸は最高におもしれぇ」 志村はそう言って、オレのとなりで、ケラケラと笑い出した。 「おい、高木。 大和田のヤローが、拷問に耐えきったら、次はお前の番だぜ。 それってよ、どんな気持ちなんだ? ワクワク、ドキドキってやつか? 良くモニター見てよ、次に自分が何をされるか、学習するんだぜ。 拷問にも、心の準備が必要だからな」 「うるせぇ、黙れよ」 オレがボソッと、小声でそう言うと、志村が殺気のこもった顔で、オレの顔をギロリとにらんだ。 「おい、クソガキ! テメェ、オレに何て言ったんだ?」 オレは志村のその言葉を無視して、ゲーム参加者の大和田と拷問者の藤城が映っているモニターをじっと見つめていた。
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