慶長二十年(1615年)五月六日 大坂

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「ところで、ゆうと言ったかな・・・君は? 君はこれから・・・どうするつもりなの?」 八雲の言葉にゆうは、にっこりと笑って答えた。 「城内へは、姫様の御加護か・・・何とか入ることが出来ましたが・・・。 それ、行きはよいよい、帰りは・・・と申します・・・。 十重二十重に囲まれたお城から出るのは容易ではないでしょう・・・。 城内でお殿様の戦働きをつぶさに見物し、後々姫に会うた時の土産話にしとう御座います。」 ゆうの言葉に、八雲はその場でしばらく立ち竦むとようやく答えた。 「分かりました・・・この私の戦働き・・・よく見て、琥太に伝えて下さい・・・。」 八雲の言葉にゆうは、立ち上がると・・・あたし達に静かに・・・一礼し・・・屈強な武士と一緒に陣屋を出て行った・・・。 入れ違いに、新右衛門・・・弥太郎が入って来た。そして、弥太郎が出て行く二人を見ながら言った・・・。 「なんぞあったんか?今の武士は・・・確か、備前宰相(宇喜多秀家)の侍大将・・・流(ながれ)星十郎ではなかったかの?」image=509350557.jpg
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