47人が本棚に入れています
本棚に追加
「ところで、ゆうと言ったかな・・・君は?
君はこれから・・・どうするつもりなの?」
八雲の言葉にゆうは、にっこりと笑って答えた。
「城内へは、姫様の御加護か・・・何とか入ることが出来ましたが・・・。
それ、行きはよいよい、帰りは・・・と申します・・・。
十重二十重に囲まれたお城から出るのは容易ではないでしょう・・・。
城内でお殿様の戦働きをつぶさに見物し、後々姫に会うた時の土産話にしとう御座います。」
ゆうの言葉に、八雲はその場でしばらく立ち竦むとようやく答えた。
「分かりました・・・この私の戦働き・・・よく見て、琥太に伝えて下さい・・・。」
八雲の言葉にゆうは、立ち上がると・・・あたし達に静かに・・・一礼し・・・屈強な武士と一緒に陣屋を出て行った・・・。
入れ違いに、新右衛門・・・弥太郎が入って来た。そして、弥太郎が出て行く二人を見ながら言った・・・。
「なんぞあったんか?今の武士は・・・確か、備前宰相(宇喜多秀家)の侍大将・・・流(ながれ)星十郎ではなかったかの?」
最初のコメントを投稿しよう!