チョコの奇跡

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「よ!」 ピースしながら彼が現れた。ちょっと常識を疑う。 はぁ~、なんでこんなの選んだかな。 「ずいぶん薄着だな。」 言いながら、彼は自分の上着を脱いで私の肩に羽織らせる。 まぁ、優しいんだけどね。 「状況は?」 彼の目付きが変わる。見つめる先は、眼下の夜景の一部分。 「見てわかんない?あの変な光!もう始まってる! 誰かの遅刻のせいで、完全に出遅れよ!」 「昼に貰ったチョコ、今日食べたかったんだよ!」 む、それはちょっと嬉しいではないか。でも、そんなことを口には出来ない。 「言い訳はいいから、早く行け!」 私は、持っているチョコを彼に投げつけた。それをキャッチした彼は、すぐさまパクリ。 すると、一瞬で超戦士『チョコダー』になる。 「んじゃ、やってくるわ」 気だるげに、彼は不自然に光を放つ現場に向かった。 頑張ってこい。私じゃない誰かのためにさ。 そんなあんたが好きだよ?
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