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わがままなご主人様の命令で
車はバッグのまま急発進する。
それこそ道端に蹲り
もう一服し始めた新聞記者を撥ねる勢いで。
「ねえ!」
「うわっ……!」
僕が窓を開け勢いよく顔を出すと
凪はあんぐりして咥えていた煙草を落とした。
「なに……?」
目を丸くしたまま立ち上がる彼を
手招きして呼び寄せる。
「僕と一緒にゲームしない?」
「君と……戦うの?」
「いや、僕らはチームだ。勝算があれば取材も受けるよ」
それだけじゃない。
「――あなたにだけ真実を話すと約束する」
つまりうまくいったら
ユニコーンの角を見せてあげようってわけさ。
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